今年の夏は例年よりも厳しい暑さが続き、「なんだか疲れやすいな…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
「しっかり食べているのに体重が落ちてきている…」そんな時は、糖尿病が関係していることがあります。
この記事では、糖尿病で体重が減ってしまう理由と、毎日の食事や生活でできる工夫を、管理栄養士の視点からわかりやすくお伝えします。
症状チェック
こんな症状に心あたりはありませんか?
- ✔ 食欲はあるのに体重が少しずつ減ってきている
- ✔ のどが渇きやすく、水分をよく飲んでいる
- ✔ トイレの回数が増えた/夜も起きることが多い
- ✔ 体がだるく、疲れやすい
- ✔ ご家族に糖尿病の方がいる、または血糖値が高いと指摘されたことがある
3つ以上あてはまる場合は、糖尿病の代表的な症状である「多飲・多尿・体重減少」や家族歴が重なっている可能性があり、血糖値やHbA1cの上昇が考えられます。
これは「エネルギーがうまく使えていないサイン」であり、早めの受診・検査がすすめられています(厚労省・日本糖尿病学会より)。
糖尿病で痩せてしまう理由
糖尿病になると、インスリンの分泌や働きが弱まり、食べた栄養が体の細胞に届きにくくなることがあります。
そのため――
- ・ 栄養はとれているのにエネルギーに変えられない
- ・ 筋肉や脂肪を分解して補おうとする → 体重が減ってしまう
- ・ 高血糖による利尿作用で水分・栄養素も失われる
さらに夏は汗で水分が奪われやすく、体力の消耗も重なります。
👉 日本糖尿病学会でも「急な体重減少+のどの渇き・多尿・倦怠感」がある場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。
当院でできるサポート
ふくおかクリニックでは、内科・循環器・外科・漢方内科・心臓リハビリに加え、管理栄養士による食事相談を行っています。
- ・ 食事内容や栄養バランスの見直し
- ・ 採血・血糖値の即日チェック
- ・ 夏に食べやすい献立のご提案
- ・ 必要に応じて医師・スタッフと連携したチームサポート
セルフケア・生活の工夫
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1. バランスの良い食事を心がける
主食・主菜・副菜をそろえて、栄養のかたよりを防ぐことが基本です。炭水化物・たんぱく質・野菜をバランスよく組み合わせましょう。
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2. 食べ過ぎを防ぐ工夫
よくかんで、ゆっくり食べることで血糖の急上昇を抑えられます。大皿から取り分けるのではなく、1人分を小皿に盛るのも効果的です。
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3. 塩分・脂質を控えめに
濃い味つけや揚げ物が続くと、糖尿病だけでなく高血圧や脂質異常症のリスクも高まります。調味料は「かける」より「つける」、油は「揚げる」より「焼く・蒸す」を意識しましょう。
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まとめ・受診へのご案内
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糖尿病で痩せるのは、血糖の制御低下により、エネルギーが細胞へ届かず体が脂肪や筋肉を分解してしまうためです。特に夏は体力が落ちやすい季節。気になる症状があるときは、早めに検査や相談をしていただくことが大切です。「食欲はあるのに痩せていく」― そんな不安を感じたら、早めに医療機関へご相談ください。
ふくおかクリニックでは安心のサポート体制でお待ちしています。
【執筆者】 管理栄養士